以前からボーイフレンドのEさんは何か特性があるとは感じていました。ただ外国人ということもあり、なかなか分かりづらかったのですが、確信できるエピソードがあったので、Eさんの特性がわかりました。
彼は多分ギフテッドだと思います。
ギフテッドとは:
生まれつき高い知性や特定の能力が突出した人のことである。 神様からの贈り物という意味で「Gifted(ギフテッド)」と呼ばれている。
EさんからEさんのやっているものを見せてもらいました。EさんはITエンジニア。今はゲーム開発の仕事をしています。日本語を勉強しているEさんは、自分の漢字の書き取り練習用にもソフトを作っており、画面にタッチ入力できるPCでゲーム感覚で書き取り練習ができるものを作って練習していました。
なんだこれは?普通に売れる代物じゃない?!
と驚くようなクオリティ。こんなのを簡単に作れるEさんすごい!と思いましたが、他にも色々見せてもらいました。(その道のプロなので、簡単に作れることは当たり前なのかもしれませんが)
「大学では物理を勉強してたんでしょ?プログラミングはいつ勉強したの?」
「??意味がわかりません。」
「大学で理論物理の勉強をしてたなら、大学ではプログラミングを勉強してなかったわけでしょ?卒業して社会人になってからプログラミングを勉強したの?」
「??」
やっぱり意味がわからない様子のEさん。
「プログラミングに出会ったのはいつ?」と質問内容を変えてみました。
「あ!7歳です。」
7歳???
Eさんが7歳の頃は1990年代初めです。Windowsもまだ出ていません。
「小学校でプログラミングの授業があって、勉強したの?」
「自分で勉強しました」
は?!自分で勉強??
「それってイギリスではみんなしてる普通のこと?」
「うーん。みんながしていることではないけど、別に珍しくもないと思う。」
「あの、最初はエレクトロニクスエンジニアリングを専攻して大学に入ったけど物理に専攻を変えたよね?それって、もしかして大学の勉強が簡単すぎてやめたの?」
「はい。大学では学ぶことがなくて、みんなが”わからない教えて”って私に言うけど、わからないという意味が私にはわかりませんでした。全部とても簡単です。物理はスーパーコンピューターを扱えるので、物理専攻にしました。」
とてつもなく、数学と物理に強いEさん。数字にはものすごく反応します。
なるほど・・・このエピソードを聞いてわかりました。あなた、ギフテッドでしたか。
以前からEさんの感覚過敏も気になっていました。これはギフテッドの特徴である過度激動と言われるものです。
5つの過度激動
1.精神運動性
2.感覚性
3.想像性
4.知性
5.情動性
Eさんは聴覚、視覚情報は過敏で、情報が多いとパニックになることがあるようです。嗅覚(煙が苦手のため焼き鳥屋、たばこ、ろうそくの匂いは全くだめとのこと。バースデーケーキにろうそくはつけないそうです。)、触覚も敏感です。想像もどんどん広がっていくようで、そのため不安になることも多く、私のちょっとした言動で不安になり、その気持ちを私に告白してきたこともたくさんありました。とても繊細で傷つきやすく、正直で礼儀正しい。礼儀に関してはこだわりもつよく、正義感も強い完璧主義者です。
仕事は数字を使う仕事ですが、集中し過ぎると頭が周りすぎて眠れなくなることもあり、常に不眠症だそうです。繊細で過敏なため、疲れやすくもあり、そのため人と関わることはあまり得意ではなく緊張すると言っていました。いつも限られた人としか交流しませんし、誰かと一緒に食事をするということもなく、本当に心を許した人だけとしか食事を共にしないようです。
Eさんとこの4ヶ月間行動を共にしていて、「変わってるな」「生きていくのが大変そう・・・・」と思う場面が多々あり、Eさんの取り扱いの難しさを感じることが今でもあります。
突出した才能とは引き換えに、凸凹も大きく、普通の人ができることができない、普通の生活ができないということは少し気の毒に思います。
言語理解やセンスは特に低く、自分の気持ちや思ったことを英語で説明できないこともしばしばあります。また外国人の私より英語のスペリングはできません。言外の意味を読むことも難しいようで、詩の解釈なんて全くできないと言っていました。私たちが困っていることはLIINEのやり取りで、彼はLINEの文章でのやり取りは、表情や声のトーンなどの情報がないため、特に解釈が難しいとのことでした。
人と関わることが難しいEさん。私だけは特別で、こんなに緊張せず、安心して、心を許せることは珍しいと何度も口にしていました。その意味が最初はよくわかりませんでしたが、今ではわかります。Eさんは心から私に気を許しているのだと思いますし、私は彼にとって特別な存在なのだと思います。
Eさんはものすごく頭が良く、才能が突出しています。そしてその才能を活かす場もあり、素晴らしいことだと思います。ただ、その代償として困りごともたくさんあります。私は彼のトリセツを作り、どのように彼をサポートしていけばよいのかを考え、向き合っていきたいと思います。
ギフテッドは発達障害とは似ていますが、少し違います。ただ、規格に当てはまらない、特性に偏りがあり、凸凹のために生きづらいという点は同じです。同じ職場にいたらちょっと面倒くさいですが、プライベートなら、離れるという選択肢もあるため、気をつけつつ、気楽にお付き合いできるかなあと思います。それに彼は人の心に共感することができ、いつも私に優しいので、何より一緒にいて安心します。Eさんの才能を尊敬し、そして彼の人間性も尊敬しています。扱いが大変なこともありますが、無理せず、このままお付き合いができたらいいなあと思いました。