親戚から相談を受けました。私より年上の親戚の女性(仮名Y子とします)ですが、40過ぎてからの出産だったため、彼女の子供はまだ小学生。子供が小学校に入学したときに子供同士の席が隣だったことから仲良くなったママ友(仮名Z美とします)との6年間の関係を絶つべきか否かの相談でした。
Z美と仲良くなってからは仕事も紹介してもらって、同じ仕事をするようになり、おまけにそのママ友Z美はY子のご近所に引っ越しまでしてきたそうで、プライベートも仕事も子ども同士もいつも一緒、べったりとした関係になってしまったそうなのです。それでも良い関係を築けていたなら何の問題もなかったのでしょうが、どうも最近窮屈に感じるようになり、周りからも「大丈夫?」と心配されるほどストレスで痩せてしまったそうなのです。
なんと9キロも!!!
それを聞いてさすがに私も、「それってちょっとまずいんじゃない?まず一からどういうことか説明してくれる?」とY子に事情聴取を始めました。
ママ友Z美はY子より6つ年下の女性でシングルマザーなのだそうです。子供は一人だけ。仕事はママ友Z美の方が先輩のため手取り足取り教えてもらっていたそうなのですが、とにかくきついのだそうです。言い方、教え方全てにおいて、きついのだとか・・・。
そしてプライベートにいたっては、「家の電気がつかない」、「洗濯機のホースが外れて家の中が大変!」と言ってはY子を呼び出し、家の事を色々とさせるのだとか・・・。Y子はママ友Z美がシングルマザーであることを不憫に思い、言われるがままに助けてあげていたようなのです。まあ、わからなくもないのですが・・・。しかしさすがに「熱があってコロナかもしれないから病院に車で連れて行って」となんの配慮もなしにY子をタクシー代わりに使った話を聞いたときには、「相手を感染させる可能性があるのに、どんだけ非常識な女なんだ!」と私はブチ切れたのですが、それに反して、何も疑問に感じずに、Z美を病院へ送迎し助けているY子に私は「ん?ちょっと待って・・・」ともやもやを感じずにはいられませんでした。
「私、なんか支配されているかも・・・」とY子は言っていたのですが、「支配されている?というか、Y子は自分からZ美に支配されに行ってるよね?」と私は感じました。時々、女性のこういういびつな関係ってニュースにも出てくるじゃないですか。その挙句に事件に発展したりして。
私はY子に言いました。「そのママ友のZ美とは縁は切った方が良いと思う。でもそういう人って逆恨みして刺してきたりする可能性があるから、刺激しないようにゆっくり距離を置いてフェードアウトして。」と。
「やっぱりそうだよね。私も9キロも痩せて、ストレスを感じているみたいだし、周りからも心配されるから、縁を切った方がいいかと思ったんだけど、なんだか踏み切れなくて。背中を押してもらってよかった。」とY子は言いました。
相手を自分のいいように利用するテイカー(taker)。そういう人は、人のいいギバー(giver)をちゃんと見極めているんですよね。そして支配下に置く。一人では成り立たない関係なので、もちろんテイカーだけが悪いわけではないのです。
「子供じゃないんだから、大人は自分で自分のことができるし、自分でするんだよ。それが自立。シングルマザーで大変そうということはわかるけど、結婚したのも子どもを産んだのも離婚したのも彼女の選択で彼女自身の責任。誰かに言われてしたわけじゃない。離婚したなら、それなりの覚悟をもって自分で子育てをして自分の力で生きていかなくちゃいけないんだよ。だから助けてと言われるまで助ける必要は無いし、Y子だけがZ美を助けてあげられる存在じゃないはずでしょ?Y子がZ美の生活を面倒を看る必要はないんだけど、そこはわかる?」とY子を説得しました。
そう言われて初めて「あ、そうか・・・」と気が付いたY子でしたが、モラハラ、パワハラ、DVなどという歪んだ支配関係って普通に世の中にあって、支配されている方は、違和感は感じていてもなかなか抜け出せないというのは、意外と現実なのだなあと、他人事ではないと感じました。
個人的にはシングルマザーで一人で頑張ってきた私としては、Z美の行動に「人に迷惑かけて甘えてんじゃないわ!」と本当に腹立たしく思いました。
Y子がZ美からの支配から逃れられることを祈りつつ、しばらく見守っていきたいと思います。