入学試験に合格した後は手続きをして、新生活の準備をし、入学式を心待ちにしたいもの。親目線で大学新生活に向けての手続き、必需品や準備について、シリーズで紹介したいと思います!
シリーズ4回目は前回に引き続き奨学金編で、入学後の手続きについて取り上げてみたいと思います。
進学前準備
①採用候補者決定通知書の確認
予約採用で大学等奨学生として採用候補者となれば決定通知書(この書類は進学後の手続き書類として提出しなければいけないので大切に保管してください)が在学する高校より届きます。その書類には自分が受けられる奨学金についてどのような内容で採用されたかが記載されています。奨学金の種類、区分、貸与額、返還方式、保証制度、利率の算定方法をよく確認しましょう。進学後に変更できる条件もありますので、変更が必要か否かを進学までによく話し合っておきましょう。
②奨学金振込口座の開設
奨学金の振り込み可の金融機関の口座を開設しておき、通帳のコピー(提出用)を取っておきましょう。
利用できる | 利用できない | |
金融機関 | 日本国内の銀行(ゆうちょ銀行を含む)、信用金庫、労働金庫、信用組合(一部を除く) | 農協、信託銀行、外資系銀行、インターネット専業銀行(楽天銀行、ジャパンネット銀行等)、その他一部の銀行(新生銀行、あおぞら銀行、セブン銀行) |
口座 | 本人名義の普通預金(通常貯金)口座 | 本人以外の名義の口座、貯蓄預金口座、休眠口座 |
③保証人への依頼(貸与型奨学金を併用し、人的保証を選択した場合)
保証人には、進学後に提出する「返還保証書」へ自署押印(実印)をしてもらうことと、「印鑑登録証明書」を提出してもらわないといけませんので、予めお知らせしておきましょう。
④進学届入力下書き用紙の準備
進学先の大学で入手できます。JASSOのスカラネットで入力する内容がそのまま記載されていますので、入力する内容をあらかじめこの書類に記載しておきます。スカラネットへの各画面の入力制限時間が30分のため、読みながらモタモタしているとタイムアウトになってしまいます。
参考:令和2年度入学者用はこちら
進学後手続き
①「採用候補者決定通知(進学先提出用)」等を進学先の学校に提出
「採用候補者決定通知(進学先提出用)」の提出と引き換えに交付されるインターネット(スカラネット)ログイン用「ID・パスワード」を受け取ります。自宅外通学の学生は「賃貸借契約書」、「入寮許可証」のコピーの提出が必要で、「給付奨学生」は「給付奨学金『自宅外通学証明書類』提出書」も併せて提出が必要になります。
②インターネット(スカラネット)にて「進学届」の提出
スカラネット ログイン用「ID・パスワード」を入力し、「進学届入力下書き用紙」通りに入力し、「進学届」を提出します。
→「進学届」を提出した時期に応じて奨学金の振り込みが始まります。奨学生となった人には、在籍する大学を通じて全員に「奨学生証」等が交付されます。「給付奨学生」には「給付奨学生のしおり」「貸与奨学生」には「貸与奨学生のしおり」が交付され、対象者に応じた必要書類(「誓約書」、「返還誓約書」、「保証依頼書・保証料支払依頼書」)も交付されます。
③「誓約書」、「返還誓約書」の提出
「誓約書」は「給付奨学金生」が提出する書類で、「返還誓約書」は「貸与奨学生」が提出する書類です。「返還誓約書」の提出時には、人的保証を選択した場合、連帯保証人・保証人の自署押印が必要です。また保証制度の選択に応じて提出する必要書類は以下になります。
対象の人 | 提出が必要な書類 | |
機関保証 | 学生本人 | 「保証人依頼書・保証料支払依頼書」 |
機関保証 | 親権者 (本人が未成年の場合のみ) | 「保証人依頼書・保証料支払依頼書」 |
人的保証 | 連帯保証人 | 1.収入に関する証明書 2.「印鑑登録証明書」 |
人的保証 | 保証人 | 「印鑑登録証明書」 |
奨学生になってからの手続き
①在籍報告(給付奨学生のみ)
在籍状況や通学形態などの申告内容に変更がないか等、毎年3回(4月、7月、10月)に報告が求められます。期限までに報告がないときは、奨学金の支給が止まりますので忘れずに在籍報告をしましょう。
②適格認定
これは手続きをする必要はなく、自動的に処理されています。
給付奨学生の場合、毎年秋に行われる「家計適格認定」と毎年春に行われる「学業適格認定」の二つがあります。「家計適格認定」は申込時に提出しているマイナンバーにより所得情報をJASSOが取得し、給付奨学生に該当するか、また支給額の判定をします。収入に関する証明書の提出は必要ありません。9月頃に支援区分の見直し認定が行われ、10月の振込みより支給月額に反映されます。世帯収入(学生本人のアルバイト収入も含まれます)で認定されますが、判定が下りる9月には新しい認定条件を確認し支援区分に不服のある人は早目に申し立てる必要があります。特に家計が経済的に急変した場合は「給付型奨学金の家計急変」制度がありますので利用しましょう。この制度で気を付けなければいけない点は2つあります。
1.家計急変の事由が発生したときから3か月以内に申し込む必要がある
家計が急変ししばらくは状況が変わらないようでしたらあまり間をあけずに申し込みましょう。
2.家計急変採用後の支援区分見直しが3か月ごとに行われる
家計急変の支給開始年月の翌月から、原則3か月ごとに収入に関する証明書類等を提出する必要があるのですが、すぐに家計が改善される、なおかつ以前の収入より増えてしまう可能性のあるご家庭の場合、3か月のごとの収入証明書の提出により給付奨学生に該当しなくなったり、支援区分が下がってしまう可能性があるので、世帯収入の今後の状況をよく検討してからこの制度を利用してください。
私は昨年新型コロナによる雇止めに遭い、昨年の秋の区分見直しにて奨学金の区分が第Ⅰ区分から第Ⅱ区分に変更になり、その当時は失業状態だったためこの制度を利用しようとしましたが、学生課の担当者に「この制度を利用する人はあまりいない」とアドバイスを受けました。理由は上記なのですが、給付奨学生に該当する程困窮する世帯収入の人(生活保護世帯やそれに準ずる世帯)が、さらに急変して収入が減り、ずーーーーーーーとそのまま(困窮が更に困窮状態)の人というのは、普通に考えてあまりいないですよね?現在支給されている支援区分と今後の収入状況をよく鑑みて「給付型奨学金 家計急変」制度を利用した方がいいと思います。結局我が家は利用しませんでした。
「学業適格認定」は在学する大学により学業成績などの基準に関する判定が行われ、その判定結果がJASSOに報告されます。(給付奨学生&貸与奨学生)
参考:給付型奨学金の家計急変制度
新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援
③「奨学金継続願」の提出(給付奨学生&貸与奨学生)
毎年1回冬(12月~2月頃)に次年度も引き続き奨学金の継続を希望するか否かの確認書です。継続を希望する場合は、必ず期限内に書類を提出しましょう。期限内に提出がないときは、奨学金の支給が止まりますので忘れずに提出しましょう。
④高等教育の修学支援新制度における授業料免除の継続手続き(給付奨学生のみ)
給付型奨学金を受けている人は、冬12月~2月に提出する③の「給付奨学金継続申請」の他に毎年3月に「授業料免除継続申請書」を提出しなければいけません。忘れずに期限内に提出しましょう。
給付型奨学生は、書類手続きが年に5回あり(在籍報告3回、継続申請2回)、適格認定の確認作業(家計適格認定、学業適格認定)も含めると年に7回、手続き関係で手間が取られます。結構大変ですよね。カレンダーに印をつけて忘れないようスケジューリングしておきましょう。
大学を卒業し奨学生として終了したあとは、貸与奨学生の場合は奨学金を返還していかなけばなりません。今回は返還については取り上げませんが、また機会がありましたら奨学金の返還の流れや注意点も取り上げてみたいと思います。
2021年2月28日現在の情報です。
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