入学試験に合格した後は手続きをして、新生活の準備をし、入学式を心待ちにしたいもの。親目線で大学新生活に向けての手続き、必需品や準備について、シリーズで紹介したいと思います!シリーズ6回目は保険編です。
「入学手続き編」で諸費納入として既に加入義務のある保険の費用の支払いについて紹介しましたが、改めてここでも触れてみたいと思います。息子が通う大学では、加入義務のある保険の「学研災」と「付帯賠責」両方の保険加入が義務だったため、4年間分を入学時に4,660円支払っています。
加入義務のある保険
学校での正課中、学校行事・課外活動中、学校での研究活動中、通学中においての不慮の事故における怪我等に備える保険は学校指定のものに加入しなければなりません。幼保~高校でも「独立行政法人日本スポーツ振興センターの学校災害共済給付制度」に加入していたと思いますが、大学でも似たような保険制度があり、「公益財団法人 日本国際教育支援協会の学生教育研究災害傷害保険」という制度があります。
①学生教育研究災害傷害保険(通称:学研災)詳しくはこちら
学生が教育研究活動中に不慮の事故によって被った傷害に対する全国的規模の統一救済保険。損害保険会社と財団法人日本国際教育支援協会との間に結ばれる団体契約の保険で、全国国立大学の100%が加入登録しています。
また、「公益財団法人 日本国際教育支援協会」では、対人・対物事故に備える保険制度もあり、大学によると思いますが、学生教育研究災害傷害保険(学研災)にプラスして下記の対人・対物事故に備える保険の加入を義務付けられることがあります。
②学研災付帯賠償責任保険(通称:付帯賠責)詳しはこちら
学生教育災害傷害保険に付帯する保険で、国内外において、学生が、正課中、学校行事中、課外活動中及びその往復途中で、他人に怪我をさせ、また他人の財物を損壊したことにより被る法律上の損害賠償を補償する保険。
大学側が進める任意加入保険
任意で加入を勧められた保険は、義務加入である上記の学校活動中の補償「学生教育研究災害傷害保険(通称:学研災)」、「学研災付帯賠償責任保険(通称:付帯賠責)」以外の私生活を補償する保険の加入です。これは2種類ありました。
学研災付帯学生生活総合保険(通称:付帯学総)
自宅生 | 一人暮らし学生 | |||
保 | 1 | 個人賠償責任 | 1事故 国内:1億円 国外:1億円限度 | 1事故 国内:1億円 国外:1億円限度 |
険 | 2 | 死亡・後遺障害 | 100万円 | 100万円 |
金 | 3 | 入院・通院(ケガ) 入院・通院(病気) | 治療費用実費 (医療機関の窓口で 自己負担した費用) | 治療費用実費 (医療機関の窓口で 自己負担した費用) |
額 | 4 | 救援費用等 | 100万円 | 100万円 |
5 | 育英費用(ケガ) | 100万円 | 100万円 | |
学資費用(ケガ) | 50万円 | 50万円 | ||
学資費用(病気) | 50万円 | 50万円 | ||
6 | 生活用動産 | 対象外 | 50万円 | |
7 | 借家人賠償責任 | 対象外 | 500万円 | |
保険料 | 4年間分 | 56,610円 | 64,190円 |
詳しくは「公益財団法人 日本国際教育支援協会」の学研災付帯学生生活総合保険紹介ページか
大学に置いてあるパンフレットで確認してください。
①学生総合共済(生命共済)詳しくはこちら
生命共済 | 保障内容 | 保険金額 |
1.入院保障 | 事故によるケガや病気の治療のために 入院した場合に保障される。 入院1日目から200日まで保障 | 日額1万円 |
2.手術保障 | 事故によるケガや病気の治療のために 所定の手術を受けた場合に保障される。 日帰り手術も対象。 | 1回の手術につき 定額5万円 |
3.通院保障 | 事故によるケガの治療のために 通院した場合に保障される。 1日目から90日まで。 | 日額2千円 |
4.こころの早期対応保障 | 精神疾患の治療を目的とし、精神科専門療法の 診療を初めて受けたときに保障される。 | (1共済期間に1回) 1万円 |
5.特定傷害固定具保障 | 特定の傷害により事故日から180日以内に 固定具を装着した場合に保障される。 | 1事故について定額 2万円 |
6.後遺障がい保障 | 事故によるケガや病気のために 後遺障がいを被った場合に保障される。 病気:1~3級/ケガ:1~14級 | 病気:後遺障がい等級に応じて 600万円~540万円 ケガ:等級に応じて 600万円~24万円 |
7.学業復帰支援 臨時費用保障 | 病気・ケガにより重度の後遺障がいを被り 学業復帰された場合、その一時金が保障される。 | 100万円 |
8.死亡保障 | 学生本人が死亡した場合に保障される。 | 100万円 |
9.父母扶養者死亡特約 | 父母、扶養者が死亡した場合に保障される。 | 20万円 |
10.学業継続支援特約 | 扶養者が事故や病気で死亡またはケガで 重度後遺障がいを被った場合に保障される。 | 事故死亡:500万円 事故重度後遺障がい (1~3級):500万円~450万円 病気・その他死亡:30万円 |
保険料 | 1年間分 | 14,400円 |
②学生賠償責任保険 詳しくはこちら
学生賠償 責任保険 | 保障内容 | 保険金額 |
1.個人賠償責任保障 | 日常生活での他人に対する賠償責任を保障 | 1事故最高 3億円まで (情報機器等の記録情報 の事故は500万円を限度) |
2.人格権侵害賠償責任保障 | 正課の講義等における他人のプライバシー侵害や名誉毀(き)損に対する損害賠償責任を負担した場合を保障 | 年間最高 500万円まで |
3.感染事故損害防止費用保障 | 正課の医療関連実習等で発生した事故に伴う 感染予防措置・治療の費用を負担した場合を保障 | 年間最高 500万円まで |
4.傷害見舞費用保障 | 事故により他人にケガを負わせた場合、 損害賠償金を支払うことなく、 保険会社の同意を得て慣習として 支払った費用(弔慰金、入院見舞金等の費用 および見舞品の購入費用)を負担した場合を保障 | 被害者1名につき最高 50万円まで (上記は死亡見舞費用保険金の場合。費用の種類によって金額は異なる。 1事故につき最高100万円までとなる。) |
5.後遺障がい保障 | ケガにより被保険者が所定の 後遺障がいを負った場合を保障 | 最高 10万円まで |
保険料 | 1年間 | 1,800円 |
一人暮らし特約 上記の保障内容にプラスされる | 保障内容 | 保険金額 |
6.借家人賠償責任保障 | 被保険者の過失により、借用住宅を破損し、 貸主(大家)に対する法律上の賠償責任を負った場合を保障 | 1事故 最高 1,000万円まで |
7.家財保障 | 火災・水ぬれなどによる 住宅(敷地内を含む)内の家財の損害を保障 | 1事故 最高 200万円まで |
8.臨時費用 | 住宅(敷地を含む)内の家財に 損害を被ったときに生じる臨時費用を保障 | 損害保険金の 10% |
9.家財・自転車盗難保障 | 住宅(敷地を含む)内の家財や 自転車が盗まれた場合の損害を保障 | 1事故 最高 50万円まで |
10.現金盗難保障 | 住宅(敷地を含む)内において 現金などが盗まれた場合を保障 | 1敷地内につき 10万円まで |
11.借用住宅修理費用保障 | 盗難に遭い窓ガラスや鍵を壊され、 修理代を負担しなければならない場合などを保障 家具移動や搬出搬入または盗難における 借用住宅内の損傷や投石などによる窓ガラスの破損等の保障。 | 1事故 最高 15万円まで |
12.水道管修理費用保障 | 借用住宅の水道管の凍結による 破裂などの修理費用を保障 | 1事故1敷地内ごとに 最高 10万円まで |
13.父母駆けつけ費用保障 (救援者費用) | ケガや病気のため、3日以上入院した場合や、 事故により生死が確認できない場合等に、 親族が現地に駆けつけるために支出した交通費・宿泊費等を保障 | 10万円まで |
保険料 | 1年間 | 8,500円 |
③就学費用保障保険 詳しくはこちら
就学費用 保障保険 | 保障内容 | 保険金額 |
1.学資費用の保障 | 下記の費用(実費)を卒業予定年まで毎年保障 ●大学に納付する授業料、実験・実習費など ●教科書・教材などを購入した費用 ●通学のための定期代および 一人暮らしの方の家賃・下宿代 (口数に関わらず年間10万円限度) | 1年間最高 25万円まで |
2.学生本人が後遺障がいを負った時の保障 | 「急激かつ偶然な外来の事故」 によるケガで後遺障がいを負った場合に保障 | 1事故 最高 10万円まで (後遺障がいの程度に応じて金額が決まる) |
保険料 | 1年目 2,600円(1口) 2年目 1,910円(1口) 3年目 1,200円(1口) 4年目 450円(1口) |
民間保険
高校を卒業し18歳を過ぎるとこども保険等に加入していたお子さんの場合は保障(22歳までの加入期間のものもありますが)がきれることでしょうし、またシングルマザーの方の場合は「ひとり親等家庭医療支給制度」(福祉医療)から外れてしまい、今まで無料だった親子の医療費が3割負担になります。また、お子さんはアルバイト、車の運転、一人暮らしや友達との出かける活動範囲も広がりますので、18歳という年齢を機に任意の保険に加入の検討をしてみることをお勧めします。どんな健康状態でも加入できる国民年金(障害給付や遺族給付は生命保険的役割がある)と違って、民間の保険会社は健康状態の告知義務があり、健康状態如何によっては加入できませんので、「若くて健康だから保険が必要がない」ではなく、場合によっては若くて健康状態がいいからこそ18歳を機に加入の検討をしておくことも大切だと私は考えています。
なぜそう考えるといいますと、私はいたって体は健康なのですが、発達障害のADHDです。診断されたのは大人になってからで、生命保険に入ってからのことです。もしこれが若い時に診断されていたら、生命保険に入れなかったかもしれないからです。私が子供の時代は発達障害の概念がなかったため、大人になるまでわからず見過ごされてしまい、今になって診断されたわけですが、今の時代は発達障害は子供の時に診断されやすく、診断されてしまった場合、生まれてすぐにでも通常の生命保険に入っていなければその子は自由に生命保険加入にできなくなるわけです。子どもの時に診断がおりずグレーゾーンでも、実際に困りごとがでてくるのは大人になって働き出してから環境が合わず診断されるということも少なくありません。
息子は現在、生活での困りごとはそんなになく、ADHD傾向のあるグレーゾーンで医師の診断もおりておりませんが、今後就職後に困りごとが出はじめて診断がおりる可能性がないとは言い切れなったので、18歳になったときに民間の生命保険に入りました。今は息子にとって生命保障も医療保障も本来は必要ないのですが、息子が結婚して子供が生まれ、子供のために保険に加入したいと思ったときに、保険に加入したくても入れないということがないようにしたいと思ったからです。
保険の加入のタイミングや種類をどうするのかということは、その方の人生観や経済状況、家族関係、環境など個々の事情に大きく関わるため、絶対にこれが正解!というのはないと思っています。また色んな保険会社がありますが、私個人的には共済をお勧めします。なぜなら保障を買うことは最低限で良いと考えているからです。保険は投資商品と切り離して考えることが賢明です(投資をするならもっとコスパのいい金融商品を利用してください)。保険を選ぶときは、その時に欲しい保障を安く買う を念頭において欲しいと思います。基本的にはケガ、病気、死亡時など何かあった時には公的制度と預貯金で賄うということが前提です。それでも足りなさそうなとき、また扶養者に大きな保障が必要なときには保険に加入し「安く買う」と考えて欲しいと思います。その意味では掛け捨て型で安く済ませたいところです。
四大共済は以下です。
1.こくみん共済(全労災)こちらから
2.都道府県民共済 こちらから
※引っ越しの可能性のある人、転勤族の方は都道府県民共済はお勧めできません。
3.コープ共済 こちらから
4.JA共済 こちらから
共済のいいところは、プランがわかりやすくシンプルなところです。加入基準もきつくはないため、加入しやすく、営利を目的ではないため、決算後剰余金が生じたときは、「割戻金」として支払った保険料が返金されるので、保険料はお安くなります。デメリットとしては、高額な保険金額を設定ができないことや保険商品の種類が少ないことでしょうか。
我が家は私も息子もコープ共済(定期生命共済と医療共済)に加入しています(そのため大学側が勧める任意保険には加入していません)。昨年、息子が大学に入学にした際、私の生命共済(定期)の更新時期(共済の場合、ほぼ自動的に更新ができ、保険金額の増額をしない限り健康状態の告知義務がありません。保険料は更新時期の年齢で見直されるため高くなります)で見直しをしました。もし私に何かあっても新しい奨学金制度を利用でき、大学の授業料が全額免除になること、授業料免除の他に給付型奨学金が毎月66,700円支給されること、大学院入学の費用と現預貯金を換算し、保険金額を今までの半分に減額しました。次回の更新時期、もしくは息子が大学院を卒業する時には私の生命共済は解約しようと思っています。必要な保障はずっと同じではありませんので、掛け捨て定期保険のメリットはこういうところだと思います。
お子さんの民間保険加入もこの際、ご自身の家計、家族関係、環境や人生設計に応じて検討してみてください。
また、もう既にお子さんが障がいと診断されてしまい、保険に入れないのでは?と悩んでいらっしゃる方がいらしたら、こんな保険もあります。障がい者向けの保険「ぜんちあんしん保険」です。一般の保険に比べると大きな保障は付けられませんが、有事の時用に保険に加入しておきたいと思われるのであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか?
ぜんち共済株式会社の公式HPはこちら
「春からの大学入学準備!」シリーズは今回が最終回となります。
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この記事は2021年3月14日付け情報です。