パートナーのEさんの腎臓摘出手術が終わり、退院し、2週間が経ちました。入院してから今日に至るまで大変でした。
手術の同意書記入のための説明があるとのことで、入院して2日後に病院へ向かいました。
手術の説明
説明書が日本語だったため、その説明書を使いながらも主治医が英語で説明してくれました。
1.麻酔時間を含め、4~5時間ほどの手術になること
2.手術に関しての合併症の説明
3.腹腔鏡手術なので、5か所を切ることとその場所についての説明
4.大量出血の際の輸血とそのリスクについて
5.腎臓摘出術のメリットとデメリット
6.術後から退院までのケアと繋がれるチューブについて
手術については私もEさんも特に何の不安もなく、手術の同意書にはEさんと私がサインしました。
むしろ彼は手術後の自分の状態が不安なようでした。麻酔が切れたあとどうしたらいいのか、頭が朦朧とした中で、自分の意志を日本語で伝えられるか、などそのようなことを心配していました。無理はありません。私だって海外で手術をしたら、同じような不安にかられると思いました。
Eさんは手術の日まで毎晩私に電話をかけてきて、心の内を話してくれました。話すことで不安が少しでも解消されればいいと思いました。手術当日は午後からでしたが、術後数日は会話はできなくなると思ったので、私は昼休みに最後の励ましの連絡をしました。話をしていて胸が熱くなりましたが、なるべく平常心で話すよう心掛けました。
手術が終わってすぐに主治医から私へ電話連絡がありました。コロナの影響で面会は一切できません。手術の待機もできないため、術後は主治医からの電話連絡で報告を受けました。
手術は輸血もなく合併症もなく無事に終わり、本人は痛みを訴えているものの、痛み止めでケアしていきます
とのことでした。それを聞いてほっとしました。
数日間はEさんからの連絡はありませんでした。痛みとの戦いですね。術後の次の日から癒着を防ぐため歩かなくてはいけないとのことで、大変だろうな・・・と想像はしていました。3日後にEさんから連絡があったときは、声が元気そうで、安心しました。尿管チューブは早々に外れたそうなのですが、点滴とドレインチューブはしばらくつけなくてはいけなくて、とても嫌だったそうです。
それから少しずつ流動食が摂れるようになってきたため、何か差し入れをしようかと聞いたところ、コンビニまで歩いて行けるほどの体力がないため何も買いに行けないそうで飲み物を差し入れて欲しいとの希望がありました。私はEさんの好きそうなジュースなどを選んで差し入れをしました。ヨーロピアンなのでヨーグルトが好きなEさん。飲み物ではないけれどこれくらは食べれそうだと思ったのでヨーグルトも差し入れしたら、ひどく喜んでいました。
入院して2週間後にEさんは退院しました。退院手続きはあっという間で、すぐに自宅へ帰宅しました。久しぶりに会うEさんは少し痩せていて、お腹の傷はとても痛々しそうでした。
しばらくはあまり動けないと思っていたので、買い物に行き、Eさんのために総菜を沢山作り置きしました。また近所の美味しいお蕎麦屋さんに行き退院祝いをしました。Eさんはお蕎麦屋さんでカツ定食を頼み、久しぶりのがっつりした食事に舌鼓を打っていました。病院食は味気ないですからね・・・。
退院したてだといういうのに、Eさんの性欲は相変わらずで、元気でした。退院後すぐに愛し合うことなるとは想像していませんでした。そこはさすが欧米人です。
退院後の診察と生検の結果
退院後2週間後に診察がありました。傷の診察と生検の結果説明です。これにより今後の予後やフォローアップのスケジュールがきまります。
傷は問題なく綺麗に治癒していました。
ところが、生検の結果が良くありませんでした。
手術前はステージ1と聞いていたのですが、術後取り出した臓器を生検したところ、
ステージ3
という結果でした。これには二人共ショックを受けました。
がんの直径が4〜7cm以下で腎臓にとどまっている「ステージT1b」ではなく、がんが腎静脈または周囲の脂肪組織まで及んでいるが副腎には及ばずゲロタ筋膜を越えない「ステージT3a」だったとのこと。ほんの少しだけガン細胞が周囲の組織に浸潤していたそうです。
再発率を聞いてみましたところ10~25%とのことでしたが、周囲の組織に広がっていると言っても本当に少しで、小さかったため、実際には10~25%より確率は下がるとの主治医の説明でした。そしてリンパ節や遠隔転移もないため、化学療法は不要で、腎臓摘出により完治するので大丈夫ですよと励ましをいただきました。とりあえずは3か月置きのフォローとなりました。
なんだかモヤモヤしましたが、事実は変わらないので、受け入れるしかありません。
交際を始めたばかりのパートナーがステージ3のガンを患っていたということは、本当にすごい当たりくじを引いたような感覚で、病気と向き合ってお付き合いをしなければいけないということは少し辛いです。
これが50~60代の中年ならともかく、彼はまだ30代ですし、私がガンというならアラフィフですから納得がいくものの、若いEさんがガンというのは解せない気持ちでいっぱいです。
私もいつ病気になってもおかしくない年齢ですし、これはこれでお互い様ということで二人で助け合って頑張っていこうと思いました。