「東大までの人」教育論

教育
“東大までの人”を量産……人気予備校講師が語る「母親主導の受験の弊害」 « ハーバー・ビジネス・オンライン
いよいよ始まった大学入学共通テスト。今年の受験生はコロナ禍で満足に授業が受けられず、十分な学力が身に付かないのではないかと保護者の間で不安が広がっているようです。また、少子化で1人に掛けられる教育費…

賛否両論ある”子供4人を東大に入れた〇〇ママの教育論”の批判のような記事で、人によっては不快に感じるかもしれませんし、刺激的な内容でした。
この記事の是非はさておき、なるほどなあ~と納得させられる部分もありましたので、取り上げてみたいと思います。

”教育が消費になっている”指摘について。
これは身に染みて感じます。
息子が大学に入って言ったことは、自分の周りの学生は私立の中高一貫校出身者がほとんどであり、塾率も高く、たくさんの教科を受講していたとのこと。

教育にお金がかけられる家庭の子が入る大学なのだと実感したそうです。

学歴と経済力は比例する

これは事実なのだと思います。
息子のようなタイプ(All公立、ほぼ塾なし)は珍しいそうなのです。

そして判を押したようにみんな素直で純粋でいい子らしいです。
きっと同じようなタイプの子が集まる温室のようなところで育ってきたのでしょう。

息子がいた中学なんて、荒くれモノが多く、高校に行ける学力を身に付けることさえできず、
中卒で社会に出る子もたくさんいました。
息子は多様な人間模様のある環境で学生生活を送ってきたこともあって、
偏見なく、どんな人間でも受け入れられるマインドは育っていったように思います。

記事にも書かれていましたが、今富裕層には医学部受験が大変人気なのだとか。
私が気になったのは、純粋培養で育った子供が頭がいいだけで、コスパを求めて医学部に入り、
医師になった場合にどうなるか、でした。

というのも、私は今総合病院で働いているのですが、病院というところは多種多様な人が患者さんとして来院し、医師には応召義務があり、報酬が高いからという理由で続けらる仕事ではないように思うからです。
病気やケガというものに貧富の差はありません。
むしろ、貧しい人の方が健康に対する意識が低い分生活習慣病にかかりやすく、
二つ三つの診療科(糖尿病と眼科などの組み合わせ)に掛かっていることもあり、患者さんの数が多いように思いますし、またコンプライアンスが低い人も多いのです。
このような人たちが患者さんであるということは、医師は自分が学生時代に共に過ごした人とは違う”話の分からない人間”を相手にしなければいけない場面も多々でてくるということなのです。
多様な人間模様で揉まれていないと、そのようなタイプの人間の扱いは大変ストレスになるでしょうし、臨床医として患者さんに寄り添った治療を施すことも難しくなるのではないかと思うことがあります。
このご時世、「学校の成績が良いから」、「コスパがいいから」という理由で臨床医にさせる親がいて、そのような医師ばかりになったとしたら今後の医療業界はとても恐ろしくなるなあと感じます。
医師という仕事は、奉仕精神がないと務まりませんし、何より人に興味があり、どんな人にでも対処できる器の大きさが必要だと思います。
似たような人間の集団の中で、答えの決まった問題を解く受験を制覇する社会で生きてきただけの人には荷が重すぎるようにも感じ、果たして医師として通用するのでしょうか?

経済が停滞し、親は子供がより稼げる職に就けるようにと、高学歴を求める心情はわからないでもありません。
それは韓国の教育事情にも通ずるものもあり、「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」超資本主義になっていく世の中、少ないパイを取り合うために必死になっている親心なのだと思います。

私たち子を持つ親は、子供の人生が大学に入るまでより、大学に入って死ぬまでの人生の方が長いことを肝に銘じ、人として何が必要であるか、これからの未来に何が求められているかを敏感に読み取り、子育てをしていくことが求められているように思います。
難しいけどねっ・・・

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