卒園式と謝辞

教育

毎年送る側だった私たち親子が、今年は送られる側となった。
感慨にふける間もなく、謝恩会が終わるまで、一日の流れはわりとバタバタしていた。

しかしおごそかに行われた卒園式では、最初から最後まで涙、涙だった。

就園してから3年間の記憶が走馬灯のように蘇った。
本当にあっという間に卒園を迎えたような気がした。
年長になったばかりの頃に、
『本当にこの子は年上として自覚して、
小さい子の面倒もみてあげられるのだろうか?』とか
『年長組みのたくさんのプログラムをこなしていけるのだろうか?』
などと思っていたことなんかは、つい昨日のように感じたくらいだ。

式の最中、卒園児の一人が、最初から最後まで涙をハンカチで押さえ、号泣しており、
さらに保護者の涙をそそった。

息子はといえば・・・・・、少しは緊張していたようだったが、
堂々とした態度で修了書を頂いたり、将来の夢を語ったり、
時には飽きた様子で横に座っていた子にちょっかいをかけたりしていた。

卒園児が修了書を手に、
『将来大きくなったら何になりたいか?』を一人一人言ってくれた。
息子は大きな声で「大きくなったら、宇宙飛行士になりたいです。」と言っていた。
              ↑初耳である!!!マジ?

下の子がいないうちは、
園に通うことは本当に最後になってしまうので、かなり寂しい。

息子がこんなにのびのびと素直な子に成長したのも、
先生方の深い愛情と園の環境のおかげだと感謝の気持ちでいっぱいである。
謝辞にも書いたのだけれど、子育てっていうのは親の価値観が反映されやすく、
その時代の社会環境が大きく影響している。
私が子どもの頃は、大学卒業=いい会社=安定という図式がまかり通っていて、
どこの親も我が子を大学へ・・・と教育にお金をかけ、偏差値、学歴社会だった。
ところが実際、私たちが就職する頃には、
終身雇用も年功序列賃金制も崩壊しつつあって、
成果主義の下、そんな図式は見事に崩れてしまっていた。
それを信じて頑張ってきた私たちは途方にくれた。
その時代がそういう価値観なのであって、子どもが大きくなった何十年後かも
同じような価値観の社会であるとは限らない。
社会や目先の価値観に翻弄されることなく、
子どもが大きくなった何十年後をも見据えて
人間として何が大切なことか、どんなことを身につけておくべきなのかを考えて
長い目で見た子育てをしなくてはならないのだと思う。
きっとどんなに時代が変わっても、社会が変わっても、
その大切な事は変わらず、普遍で、当たり前のことばかりなのだと思う。
例えば(前にも言ったけど)、「健康な体をつくること」とか、
「自分で自分のことはする」とか、「相手を思いやること」、
「ルールを守ること」とか。
そんな基本的で当たり前のことが何より大切だと、
息子が通った園ではいつも教えてくれたいた。
本当に子どもだけでなく、親の私達も園のおかげ、先生達のおかげで、
人間としても親としても成長することができたのだと思う。
感謝の思いは言い尽くすことが出来ないほどいっぱいである。
今までありがとうございました。

式では卒園児の保護者を代表して、私が謝辞を読んだ。
ネットで色々調べたりして、原稿を考えた。
「今後、謝辞を読むことがある方のために、少しでも参考になれば。」
と公開させてもらおうと思う。
ネットで公開された謝辞は、私にとってかなり有難かったので・・・・。
稚拙な文章をお許しください。  

 本日、この○○保育園から巣立って行きます○名の卒園児の保護者を代表致しまして、ひと言お礼の言葉を述べさせていただきます。
 野山がほんのりと春化粧をはじめ、暖かなやわらかい陽射しが身も心もほぐしてくれるこの良き季節に、私共の子供達のために、厳粛、かつ盛大な卒園式を執り行なっていただきまして、誠にありがとうございました。○○園長先生をはじめ、諸先生方に、保護者一同、厚く御礼申し上げます。
 思い起こしますと、喜びと期待に胸を躍らせ、はじめて保育園の門をくぐった時、幼い我が子の一歩はとても小さなものでしたが、私達親にとっては、我が子を社会へと送り出す大きな覚悟の一歩でもありました。激動する世界情勢、混沌とした社会を背景に人々の価値観は常に変化し、益々多様化しております。そんな状況下において、子育ての仕方考え方や環境はその影響を受け、子供の成長の喜びと共に不安や迷いが付きまといます。しかしながら先生方は、どんなに時代や社会が変化しても、子育てに大切な事、必要な事は変わらず普遍であると、その方向性を指し示してくださり、子供達の成長を温かく、懸命に見守ってくださっただけではなく、仕事に追われ、忙しい日々を送る私達保護者をも支えてくださいました。ここにこうして親子共に自信に満ち溢れた笑顔で、地にしっかりと足をつけ、今日の晴れの日を迎えることができましたのも、偏に先生方のおかげであると、感謝の気持ちで一杯でございます。

 子ども達は様々な行事を通じて一つまた一つと大きな輝きを見せてくれました。
 竹馬で足にいくつもの豆を作り、つぶれては、痛さと涙をこらえ一生懸命に練習に励んでいた運動会。手作りの楽器で、皆で合わせて合奏をした生活発表会。親たちの心配をよそに、大きく自信に満ち溢れて帰ってきたお泊り保育。どの姿もついこの間のように目に浮かび、本当に胸が熱くなります。
 もうすぐ子供達は小学校という新しい人生の門へ足を踏み入れようとしております。その一歩は、保育園で逞しく成長を遂げた分だけ大きくなっているに違いありません。この先、困難や逆境に置かれることもたくさんあるでしょうが、○○保育園で積み重ねた豊かな体験と、先生方からいただいた愛情深い思い出を糧に、逃げることなく、いつも上を向いて一歩、一歩大きく前進して行けると信じております。
 最後になりましたが、○○保育園の今後の益々のご発展と、○○園長先生をはじめ、諸先生方のご健康と益々の御活躍をお祈り申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。長い間、どうもありがとうございました。

 平成20年3月○日
 卒園児保護者代表  ○○ ○○

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