今年の5月、パートナーのお父さんが急逝しました。本当に突然のことでした。家族の誰もが、こんなことになるとは想像もしていませんでした。突然、大切な人を失うと、心が追いつかないのは当然のことです。
パートナーの話によると、最近、お義母さんとお義姉さんの様子がどうもおかしいようです。お義姉さんは現在、お義母さんと一緒に暮らしています。リモートワークができるらしく、実家で仕事をしているそうです。
お義姉さんは独身で、自分の持ち家もあります。その家は、お義父さんがDIYをしてくれた思い出のある家なのだとか。お義父さんが亡くなってからは、家に帰ると思い出してしまうのがつらいということで、ずっと実家で過ごしているそうです。
あれから、もうすぐ5か月。
一人きりになってしまうお義母さんのためにも、最初はそれでよかったのかもしれません。けれど、どうやら二人の間には、少しずつ問題が出てきているようです。
もともと、それほど仲のよい母娘ではなかったと聞いています。大人になった子どもと親が一緒に暮らすというのは、どんなに仲がよくても、なかなか難しいことなのだろうと思います。親と子という関係には、長年の間にできあがった役割や習慣があります。お互いが自立した大人になってからも、同じ家で暮らしながら、新たな関係を築いていくのは簡単ではないのかもしれません。親子だからこそ遠慮がなくなり、言いたいことをそのまま口にしてしまったり、相手のプライバシーに踏み込んでしまったり。近しい関係だからこそ、つい感情的になってしまうこともあるでしょう。お互いに程よい距離感を保つことができればよいのですが、毎日顔を合わせて暮らしていると、そう簡単にはいかないのかもしれません。
パートナーは、そんな二人の間に挟まれ、心配しているようです。
「二人が少し距離を置いて暮らしてくれたらいいのに……」
そんなふうに願っているようですが、二人とも、今の生活を変えようとはしていないようです。
関係がうまくいっていないのなら、少し離れて暮らすことも一つの方法だと思うのですが、そう簡単にはいかないのでしょう。
遠く離れた日本から、家族のことを心配するパートナー。
何とかしてあげたいと思っても、何もできない。そのもどかしさが伝わってきます。
私は、「それぞれと個別に話してみたら?」とアドバイスしました。
けれど、パートナーは、
「二人は一緒に住んでいるから、それぞれと話すことはできない」
と言います。
「メールは?」
そう聞いてみると、
「姉にはスマホで個別にメールを送れるけれど、母とはそうはいかない。共有のパソコンを使っているから、姉がメールを見る可能性がある」
とのこと。
これでは、お義母さんに安心して本音を話してもらうことも難しそうです。
お義母さんは本当はどう思っているのか。
お義姉さんは、これからどうしたいと思っているのか。
それぞれの本当の気持ちが、パートナーにはよくわからないようなのです。
困りました。
お義父さんは、これまで母娘の間に入って、二人の関係を取り持っていたようです。パートナーにとっても、お義父さんは何でも話せる相手だったそうです。家族それぞれをつなぐ、まさに接着剤のような存在。お義父さんは、家族の中でとても重要な役割を担っていたようです。
そんなお義父さんが突然いなくなってしまった。
これまで家族の中で保たれていたバランスが崩れ、それぞれの関係がうまくかみ合わなくなってしまったのかもしれません。
今、パートナーの家族は、まとまりを失い、関係が混乱しているようです。これから、新しい家族の関係を築いていかなければなりません。でも、それは決して簡単なことではないのでしょう。
私は何とかしてあげたい、少しでも力になれたらと思うのですが、遠く離れた日本にいる私には、どうすることもできません。もどかしいです。
けれど、誰が悪いわけでもありません。誰のことも責められません。それだけ、お義父さんは家族にとって大きな存在だったということなのでしょう。
それでも残された家族は、それぞれの形で新しい関係を築いていかなければならないのだと思います。
